入院1日目 意識戻り、微笑む
昨日、親父は意識が少しだけ戻った。
自分の名前も、グガグガしながら、言おうとしていた。
こちらの問いかけもわかったみたいで、
朦朧とした視線ながらも、申し訳なさそうな顔で微笑んだ。
いつもの親父だった。
あまり人に迷惑をかけたくない人だから「大丈夫だよ」と伝えたかったのかもしれない。
涙がこぼれそうだったが、親父に心配させたくないので、堪えた。
その動作に疲れたのか、親父は寝てしまった。
失語症になり、意識がない状態もありえたので、とりあえずはホッとした。
右半身麻痺の診断だったが、右腕も少しだけあがった。
さすがは親父だ。
絶対に負けないという強い意志を感じる。
こちらの言葉がわかるということは、これからはネガティヴな言動はやめよう。
笑いの作用は身体に大きな変化をもたらす。
元気がでたのは、親父だけではない。
私や家族みんなだ。
がんばれ。